圧倒的なオーラを放つトップスターの存在、一糸乱れぬダンスや歌唱、壮大なスケールの舞台装置や豪華な衣裳でファンを魅了してやまない宝塚歌劇団。初の公演が大正3年(1914年)、今年で107年の歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」には「花・月・雪・星・宙」5つの組が存在します。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第5回は「勢いと負けず嫌いで始まった宝塚人生。緊張のあまり、本科生の問いかけに出た〈へぇ〉」です

宝塚受験の思い出

こんにちは。
「元組長の部屋」へようこそ!
今回は、「宝塚受験」のお話です。

第4回で書いた通り、おかしなきっかけでしたが、宝塚受験をすることになった私。
怒られた腹いせに「ぜったい合格してやる!」と負けず嫌いスイッチONです。

試験会場という普通でも緊張する空間のうえ、
東京、洗練された都会の中高生、スタイルがいいキレイな人ばかり、
みんな歌も上手……。

新潟の田舎娘には衝撃が大きすぎる…。

宝塚受験前、高校2年生の頃(写真提供:越乃さん)

緊張のあまり、首を動かさず、目だけを右に左にきょろきょろ、
知らない間に息が止まっている始末。

ダメだ なんかスんゴイとこに来ちゃったらしい。
あの人絶対受かる。
あの人も受かる。
私…だめだ。

完全に気持ちは負けています。