マヨイガにいる妖怪の「ふしぎっと」たちが、忘れかけていた気持ちを思い出させてくれる(撮影◎岡本隆史)

目に見えないものも、《信じたい》

マヨイガとは、岩手県の伝承で「訪れた人をもてなし、富をもたらす家」のことです。誰でも見つけることができるわけではなく、欲のない人間だけが出合うことができるのだとか。そして、そこには《ふしぎっと》と呼ばれる、雪女、河童、天狗、しゃべる狛犬などの優しい妖怪たちが現れます。

私は、妖怪のような目に見えないものも、《信じたい》と思っています。非科学的だとか、ありえないと切り捨てるのではなく、「いたらいいのにな」といろいろ想像するのは楽しいですよね。

また、この作品に登場するふしぎっとは、人間が本来持っているはずの優しさや純粋な心の比喩なのではないかと感じました。本当はどんな人も、他者を思いやる心を持っているはずなのに、日々忙しい生活やつらい経験などのせいで心が荒み、それを忘れていく。

でもマヨイガに行けば、ふしぎっとたちが、忘れかけていた気持ちを思い出させてくれるのではないかと思うのです。