「ツイッターなら《グッモー》ってはじめて、渋谷の写真と一緒につぶやくだけでいいでしょう?」
いつも人々を楽しませてくれる生粋のエンターテイナー、井上順さん。2020年から始めた、ダジャレや遊び心いっぱいのツイッターも人気を博し、現在フォロワー4.6万人(9月14日現在)。放送中のNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』でも、飄々とした社長役が話題だ。後編は、井上さんが芸能界に入ったきっかけ、大きな影響を受けた人たちとの出会いについて語る。(構成=丸山あかね 撮影=本社写真部)

〈前編よりつづく

「すみません! 撮ってもらえませんか?」

紆余曲折があって、故郷・渋谷の名誉区民の称号を頂戴したものの、最初は何をしたらいいのかわからなかった。でも僕らの世代って、何かをしていただいたら、きちんとお返しをなくちゃいけないというのが植えつけられているから、いろいろ考えましたよ。僕は渋谷のどこが好きなんだろう?って。

それで再確認したんですけど、渋谷って昔からカルチャーの街なんですよね。パルコ、東急ハンズ、ロフト、渋谷109に出入りする若者たちが独特な文化を作ってきた。演劇でいえば、Bunkamuraシアターコクーン や東急シアターオーブ。映画館もミニシアターまで入れたらすごく充実しているし、コンサートホールやライブハウスも100店舗を超えます。今はコロナで外国人観光客はめっきり減りましたが、日本で一番行ってみたいのは渋谷だという人も多いみたい。

じゃ、僕の目線で進化し続ける渋谷を紹介しようと、2020年の4月15日からツイッターをはじめたんです。最初はYouTubeにしようと思ったんだけれど、あれは手伝ってくれる人がいないと無理なのよ。僕は自撮りもしたことがなかったし、編集なんてとてもできないから。

でもツイッターなら「グッモー」ってはじめて、渋谷の写真と一緒につぶやくだけでいいでしょう? 動画もアップできるしね。写真は、街中で歩いている人に「すみません! 撮ってもらえませんか?」って声をかけて、「お願いします!」って撮ってもらってるの。みんな親切でねぇ、断られたことはありません。