過干渉が子どもを遠ざける
親の心子知らずという話をしました。けれど、親のありがたみについては自分が親の立場にならなければ、あるいはある程度の経験を積んだ後でなければ理解できないのではないかという気がします。
反発する我が子を目の当たりにして孤独感を募らせている親御さんもおられますが、『六方礼経(ろっぽうらいきょう)』という経典の中に「親が子に対して行うべき5つの役割」が記されています。
1 子どもに「悪いこと」をさせないようにする
2 「善いこと」を行うよう奨励する
3 教育を与える
4 結婚相手をみつける
5 ふさわしい時期が来たら、財産の管理を任せる
思春期の子どもに関しては、1番、2番、3番のことをしたら、あとは一切口出しせず、どんな大人になるのかを楽しみに待てばよいのです。
過干渉は子どもの心を遠ざけます。それがなぜかといえば、たとえば「勉強しなさい」と言う親が、「あなたのためだ」と恩に着せながら、その実、我が子は優秀だという自分の虚栄心を満たそうとしていることを子どもが見抜いているからです。
また、反抗期は子どもから大人へと生まれ変わる際に、心が追いつかずに生じる自然現象。ひたすら嵐が過ぎるのを待つほかありません。ここは忍耐勝負です。ただし、一方的にでもいいので声掛けを忘れずに。
親になると聖人君子を気取ってしまいがちですが、反抗的な我が子は昔の自分とそっくりだということも多いもの。ならば「私もそうだったからわかるけどね」と子どもに寄り添ってみてはいかがでしょうか。