仏教が説く「10種類の親の恩」とは

『父母恩重経(ぶもおんじゅうきょう)』の中に「10種類の親の恩」が説かれています。

1 懐胎守護(かいたいしゅご)の恩:妊娠中の苦しさを超えてくれたことに対する恩

2 臨生受苦(りんしょうじゅく)の恩:出産の苦しさに耐えてくれたことに対する恩

3 生子忘憂(しょうしぼうゆう)の恩:生みの苦しみを忘れるほど喜んでくれたことに対する恩

4 乳哺養育(にゅうほよういく)の恩:お乳を飲ませてくれたことに対する恩

5 廻乾就湿(かいかんじつしつ)の恩:心地の良い場所に寝かせてくれたことに対する恩 

6 洗潅不浄(せんかんふじょう)の恩:オムツや産着などを洗濯してくれたことに対する恩

7 嚥苦吐甘(えんくとかん)の恩:自分は食べなくても食べさせてくれたことに対する恩

8 為造悪業(いぞうあくごう)の恩:我が子のためなら悪事もするというほど愛してくれたことに対する恩

9 遠行憶念(おんぎょうおくねん)の恩:遠くへ行くほどに心配を募らせてくれたことに対する恩

10 究竟憐愍(くつきょうれんみん)の恩:我が子が何歳になろうと変わらぬ親心に対する恩

ミルクを飲ませ、オムツを替えてくれた人がいなければ今の自分はないわけです。このことを思えば、少なくともやりきれないほどの孤独感からは脱却することができるのではないでしょうか。