96歳で大腿骨を骨折しても、理学療法士さんを質問攻め

朝食は、トーストにハムかソーセージとサラダ。コーヒーも好きなのですが、最近はあれこれ薬を飲まなきゃいけないから「コーヒーは避けて」とお医者さんに言われてしまって。このあいだ「なぜ駄目なんですか」と聞いてみたら、カフェインに利尿作用があったり胃酸の分泌に影響するなど、ちゃんと理屈があるのですってね。

96歳で大腿骨を骨折してリハビリ病院にいた時も、「筋肉ってどういう仕組みで動くのかしら」と思って理学療法士さんを質問攻めにしてしまいました(笑)。ピアノと腕の筋肉の関係についても教えてもらい、とても面白かったわ。

もともと小さい時から好奇心は旺盛でしたが、そうしてわからないことは確かめる習慣もドイツ仕込みですね。留学時代にヤマハの講師だった知人から聞いた話では、ドイツ在住の日本人の子どもに「この音を半音変えると転調するのよ」と教えると、「はい、わかりました」と素直に聞いて見事にマネするの。

ところがドイツの子どもはまず「なぜ?」といてきて、これこれこうだと理屈を教えて初めて「なるほど」と納得してから覚えます。

パーティでオペラやコンサートの話題が出る場面でも、「私はあの演出のここが好きだ」と自分の考えをしっかりと表す。誰々がそう言うから、という自分の「外」にある価値観に合わせるのではなく、自分はどう思うのか、どうしたいかを大事にする文化も学びました。