「SHIGETAの学校」では繁田さんが講師を務める

専門家に気楽に相談できる

高澤留美子さんは、認知症を持つ父親と介護者の母親とともにカフェを利用するようになった。看護師と認知症ケア専門士の資格を持つ高澤さんは、長年病院や介護施設で働いてきたそうだ。

「以前から尊敬していた繁田先生が講師を務める『SHIGETAの学校』(現在はオンラインで実施)が開催されることを知って、参加したくて。同時に、父と、自宅介護で悩んでいる母を『平塚カフェ』に連れていきたいと思いました」

自宅から車で40分かけて、初めて両親とともにカフェを訪れた時、繁田さんとの面談が叶ったそう。「母は日頃から、『この先、夫の症状が進んだら、どうしたらいいかわからない』と言っていました。専門家に気楽に相談できたことで、母はすごく安心したようでした」

それからは月に1度、「平塚カフェ」で同じような経験を持つ人と時間を共有し、語り合うようになったという。

「父は家では受け身です。でも、かつてはサラリーマンとして社会のなかで生きてきた人。カフェで、現役の頃のように社交しようとしている父を見た時に、こういう面もあるのかと驚きました。母にとっても私にとっても、新たな発見だったんです」