撮られる側から撮る側へ
宝塚を退団後、人生の夢や目標を見失ってしまい、でも何かを見付けたくて、
そんな日々を過ごしているなか、知人がくれた言葉が
「何か…人と違うアングルね」。
このなにげない一言で、私はカメラの学校へ通うことを決めました。
「人と違う」というのは私にとって誉め言葉。
だったら自分のそこを覗いてみようと。
撮られる側から撮る側へ。
カメラの世界は初めて知ることばかりで、難しいけれど楽しくて
気が付けばそこも自分を表現する場でした。
そんなカメラの世界に足を踏み入れ、ふとしたことからご縁が繋がり、
毎年、京都で着物カレンダーの撮影に同行させていただいています。
桜が咲き誇る季節、着物姿の綺麗なモデルさんを撮影するのが
毎年の楽しみでもありました。
宝塚には「日本物」と呼ばれる和物の演目がありました。
まだ下級生だった頃、日本物がきたら退団しようと思っていました。
日本物が来たら退団する理由ですか?
着物がうまく着られないから………です。
私は着物が大嫌いでした。