「日本人は英語ができない」と思い込んでしまったワケ
ゆ どういうことですか?
ジ 例えば、「輸入」「展示」「市場」「復讐」を英語にすると?
ゆ いやいや難し過ぎますよ。知らないです。
ジ インポート、ディスプレイ、マーケット、リベンジ。
ゆ ……知ってる!
ジ こんな風に「ディスプレイ」と英単語そのものを言われるとわかるけど、『展示する』を英語で言おうとすると思いつかないわけです。その2つの言葉がつながってないので。
ゆ それってどうやったらつながるんですか?
ジ カタカナ言葉を見聞きする度に「これ日本語だと何だろう?」と考えることです。さっきの「ワースト」は日本語だと?
ゆ 最低、とかですか?
ジ そうです。では「最低の彼氏」は英語で言えますか。
ゆ えー、ワースト……
ジ ボーイフレンド。
ゆ 知ってた! 確かに「ボーイフレンド」って言われるとわかるけど、日本語からは行きつかないわけですね。でも、これって所詮カタカナ言葉で本物の英語じゃないですよね? 和製英語は通じないって聞きましたよ。
ジ 確かに「サラリーマン」など通じない言葉や「テンション」のように意味が変わってしまった言葉もあります。しかし全体の数に比べると誤差レベル。そしてまず目指すのは「キャッチボール」です。何か言葉を思いついたら、間違いの可能性があっても言ってみたほうがいいんです。
ゆ でも「その英語、通じない!」とか、あちこちで聞きますよ。テレビでも見ました。3000語知っていても、使えない言葉が大半なんじゃないんですか?
ジ その誤差レベルの話を、繰り返しネタにしているだけです。「その英語、通じるよ」だと、人は興味を持ちません。「その英語、通じない! 使えない! 日本人は英語ができない!」と言わないと、だれも興味を持ちません。そのせいで「語彙力が足りない」と思い込む人がこんなに増えてしまった。本当は3000語も知っているのに。