「自分はアダルトチルドレン(AC)」と言っているそうですが、ACとは、生きづらさは親との関係によると考えている人のこと。両親の不和や親の過干渉、支配など、さまざまな原因があります。Bさんは「あなたがいるから離婚できない」と言ったそうですね。それは禁句、タブーワードです。ところがカウンセリングを受けにくる母親のみなさんも、「事実なのに、なぜそれを言ってはいけないんですか?」とよくおっしゃいます。
子どもは母親からそう言われると、自分のせいで親が不幸になったのだと罪悪感を抱いてしまう。すると親の期待に沿わなくてはいけないと、「いい子」でいることを自分に強いてしまいます。親から過度の期待をかけられ、なんとか応えようと無理してきた。それなのに「努力が足りない」と言われ、どれほどつらかったか。
娘の立場に立って考えてみることをお勧めします
ですから娘さんに謝ることから関係は変わると思いますが、たくさんの事例を見た経験から言うと、母親本位の謝り方をするとよけいにこじれる可能性がかなり高いのです。AC関連の本を読み、娘の立場に立って考えてみることをお勧めします。
そのうえで娘さんへの謝罪の手紙を書く方法も。ところが手紙を書くとなると、自分はいかに苦労して子どもを育てたかとか、成績がよくて自慢の娘だったとか、とても謝罪とは思えない内容になることが多い。それでは逆効果です。
たとえば「私なりに本を読み、勉強しました。これから半年くらい自分なりに考えてみます。もしあなたのほうで会ってもいいと思ったら、連絡ください」などと伝えるとよいと思います。もし会える機会があったら、余計なことは言わずに黙って娘の話を聞き、「ごめんなさい」と謝ること。それが新たなスタートラインです。