吸い込まれそうな瞳が魅力的な神尾楓珠さん。現在放送中の主演ドラマ『顔だけ先生』では、イケメンだけど自由すぎて波紋を巻き起こしながらも学校や生徒を変えていく、個性的な教師役に初挑戦している──(撮影:小林ばく)
気持ちが切り替わる場所
僕が演じるのは、「自分の趣味に全集中」という姿勢を貫くがゆえに周囲を振り回してしまう、ちょっと、いやかなり迷惑な先生です(笑)。でも、仕事もプライベートもひっくるめて人生を楽しみたいという考え方は僕も同じ。今は、このコミカルな役を満喫している最中です。
現場では先生役だからと気負わず、ベテランキャストの方々に甘えっぱなし(笑)。初共演の八嶋智人さんは、場の雰囲気を作るのがものすごく上手な方で、演技以外の面でも勉強させていただいています。
実は、デビュー当時は向上心が低かったんです。芝居が下手でも仕方ないと思っていた。でも先輩方の意識の高さを間近で見ていたら、生半可な気持ちで取り組んではいけない、と焦り始めて。仕事への向き合い方が変わるにつれ、表現することの面白さを知ることができました。
仕事がつらいと感じたときは、実家に帰り、ベランダからの風景を眺めます。役者や芸能人ではない、ただの《神尾楓珠》に戻れる気がするんです。すると、「よし、頑張ろう」という気持ちが湧いてくる。自分の大事なスイッチになっています。