東大合格を目指す高校生たちのドラマ『ドラゴン桜』で、人を見下す癖のある少年・藤井遼が成長していく姿を好演し、視聴者の涙を誘った鈴鹿央士(すずか・おうじ)さん。自身もその反響を実感しているようで──(撮影:小林ばく)
噓のない演技
ドラマ放送時は、「本当に嫌な奴なんでしょ」と言われたり、地元・岡山の親友から「東京で何かあった?」と連絡が来たりしました(笑)。役者にとっては、それも褒め言葉。嬉しいです。
今回出演した映画『かそけきサンカヨウ』の今泉力哉監督は、現場で生まれるものを大切にする方。僕、好きな女の子への告白シーンを撮影している時に、「好きじゃないでしょ!」と監督に言われてしまって(笑)。そこで「いま目の前にいるこの子が好き」という感情をグッと自分の中に入れてみたら、「芝居変わったよ」と。『ドラゴン桜』でも、この噓のない演技を大切にできたのかなと思います。
デビューのきっかけは《偶然》でした。通っていた高校で行われたドラマ撮影にエキストラで参加した時、たまたま僕を見かけた広瀬すずさんが事務所にスカウトするよう推してくれて。その出会いがなければ、違う職に就いていたはず。
でも今は、ドラマを観た人に「また1週間、頑張れます」と言ってもらえると、頑張ってよかったって。僕でも何かを届けられることに、喜びを感じるんです。