すっぴんからメイクをしていく動画の撮影中(写真提供:研ナオコさん・以下同)

体形のコンプレックスを逆手にとって

今年に入って、たまたま撮影していた「メイク動画」を早送りでアップしたら、もっとゆっくり見たいという要望をいただき、再度すっぴんからメイクする動画を撮影して。するとチャンネル再生数がドカンと増えてびっくりしました。

デビュー以来、自分でメイクをしているので、いつものやり方を披露しただけなのに……と思ったんですけど、すっぴんが衝撃的だったとか言われちゃって、そーいうことかと。(笑)

おかげで「メイク動画」はすっかり人気コンテンツに。誰のメイクの参考にもなりませんよーって自信を持って言えますけどね。流行りのメイクではなく、ただひたすらに《研ナオコ》のメイクを探究してきました。

衣装もそう。デビュー以来ずっと自分でスタイリングしてきましたが、若い頃の私ってガリガリで胸もない……っていう、体形のコンプレックスを逆手にとって、自分だからこそ着こなせるドレスを選んできたのです。

人生も同じような感覚で、自分の個性を重視して、山あり谷ありを乗り越えてきた気がします。でもそれは結果論で、最初から自分を把握していたのかというとそうじゃありません。

デビュー当時は、原宿の街路のベンチに座って歩いている人たちを見ているだけでもファッションの勉強になりました。むしろ、自分のことがわかっていないところから飛び込んでいって、自分を見つけられたのかなと。なりたい自分を夢見る力は、人よりちょっと強かったのかもしれないですね。