2021年11月14日、福岡県の福岡国際センターで始まった大相撲11月場所は残すところ千秋楽のみ。白鵬引退後、ひとり横綱となった照ノ富士は14日目に優勝を決め、見事に連覇を果たしました。『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が、今場所もテレビ観戦記を綴ります
「14戦連勝で優勝」の照ノ富士
大相撲11月場所は千秋楽を待たず14日目に、横綱・照ノ富士が2場所連続、6回目の優勝を果たした。
初日から照ノ富士の相撲を見て、「攻め込まれても勝つのか」「落ち着いているなあ」「受けて勝つ横綱相撲だ」「強いなあ」「凄いなあ」「緻密だなあ」「相撲を極めている」と、いろいろとテレビの前で独り言を毎日言っているうちに、14戦連勝で優勝してしまった。
14日目の対戦相手は前頭15枚目・阿炎。日本相撲協会の新型コロナウイルス感染予防対策のコンプライアンス違反により出場停止となり幕下に落ち、心と体を鍛え直して阿炎は幕内に戻ってきた。見ていて気持ちの良い突っ張りの腕の伸びと両足の前進で12勝をあげている。阿炎は小結の経験があるので、横綱、大関のいる土俵に戻って来られたのが嬉しいかのような勢いで、照ノ富士をもろ手突きで土俵際に追い込んだ。
しかし今場所、照ノ富士は、「はいはい、あなたはこれができるのね。わかりました。でもここまでよ」という感じの受けて勝つ相撲を見せている。阿炎に対しても苦しまぎれではなく、押された時の対策の研究発表のような反撃で押し倒した。