せっかく生きるなら健康でいたい

でもあたし、死ぬのはちっとも怖くないんです。あちらの世界には会いたい人がたくさんいますから。石原裕次郎さんとか菅原文太さんとか……。

親友というか戦友だった太地喜和子が死んで、もうすぐ30年になります。喜和子はあたしが「舞台観に行くからね」って連絡すると、その日は「今日は麻紀を泣かせるぞ」って周囲の人に言ってたらしい。楽屋を訪ねると、「さぁ飲みに行こう!」って。「あんた、化粧くらい落としなさいよ」と言っても聞かないの。

あたしたちの間に隠し事はなし。誰とやったとか赤裸々に告白しあって、豪快に飲んで豪快に笑って、すごく楽しかった。一生こういうつきあいが続くと思ってたから、喜和子が車ごと海に落ちて死んだ時は信じられなかった。あたしがあの世へ行ったら「やっと来たか」って言うわね。一升瓶片手に。

親友というより戦友だった太地喜和子さんと(写真提供◎カルーセルさん)

純ぺぇ(藤圭子さん)が死んだ時も驚愕したわ。とても受け入れられなかった。彼女とは事務所が一緒だったんですよ。最初は生意気そうな子だわと思ったけど、向こうがやたらと慕ってきてくれて。この楽曲はレコードのA面にしたらいいか、B面にするべきかなんてことまで、しょっちゅう相談相手になってました。

純ぺぇは麻雀が好きでね。あたしに乳飲み子預けて雀荘へ行っちゃうの。あの時の子が宇多田ヒカルだもの。びっくりしちゃうわよ。再会したら「待ってたよ~。麻雀しよう」って言うでしょうね。あたしも会いたいわ。

でも生かされている限りは、こちらの世界で頑張らなくちゃ。せっかく生きるなら健康でいたい。やっぱり煙草、やめようかしら?

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