本物の温泉(源泉100%かけ流し)の見極め方
かつて、天然温泉と表して入浴剤を使ったり、「天然温泉」の虚偽表示をした施設が問題になった。また、感染症対策として塩素消毒を導入して物議をかもした温泉施設もあった。
このような状況の中で、村内の全ての温泉施設で「源泉100%かけ流し」宣言を行った奈良県十津川村は注目に値する。和歌山県の白浜温泉でも各施設に、成分や加水・加温の有無、「かけ流し」、「循環式」をパネルで掲示するよう勧告した。
湯船に常に新しい温泉が注がれている「厳選100%かけ流し」=「本物の温泉」を見分けるコツを伝授しよう。
(1)浴槽の底の排水口以外にパイプの穴がない
よく観察すると循環式の浴槽には、底や横壁にパイプの穴が空いてあり、そこから温泉を引き込んだり、出したりしている。
(2)温泉が常に湯船いっぱいに注がれ、床に流れ出している
(3)飲水用のコップが置いてある
一度消毒した循環式の温泉は飲むことができない。
ただし、源泉かけ流しでも成分分析の結果、飲用に不適な温泉もあるので要注意。
皆さんも、温泉に入る機会があれば、一度自分の目で確かめてみて、本物の温泉かどうか見定めてみてはいかがだろうか。
※本稿は、『秘湯マニアの温泉療法専門医が教える 心と体に効く温泉』(中央新書ラクレ)の一部を再編集したものです。