「頑張ってやってるのは、趣味じゃなくない?」
「ママの趣味って、なに?」
あれ? わたしの趣味とは一体。最近は書かなくなったが、自分のプロフィール的なものを書くときには、「趣味」という欄があり、もちろん何かをうめた。
たぶん、料理とか、読書とか、ピアノとか、軽めの登山とか。
嘘ではない。どれもこれも好きなものだし比較的得意なものだが、果たして「趣味」なのか。空き時間に、これがしたい!と心躍り継続的にしているかというと、かなり微妙である。わたしが、あゝこれがしたいと本心で願う時間とは。絞り出そう。
「ママ、もう大丈夫。ごちそうさまでした」
「待って、趣味だけど」
「うん」
「わたし、考えてみたのだがね」
「うん」
「温泉にね、行きたいなと思って調べたり、行けるかなと思っていたり、まあ、あれだね、温泉のことを想像してるのが、敢えて言うなら、趣味」
「温泉に行くんじゃなくて?」
「行くと、また違って。行きたいけど行くと疲れちゃう。ほら、あそこ行かなきゃ、あそこも見なきゃとなるでしょう?なるじゃない」
「知らないけど」