近くて好きな人と一緒にいたい
「温泉を想像するのが趣味?」
「はい」
「ガチで?」
「まあガチですね」
「やば」
「まあガチやばでしょうね」
「ごちそうさまでした」
「ありがとうございました」
そして娘は、趣味であるヘアアレンジをする為に洗面台へ急いで向かっていった。
もう寝るだけのこの時間からのヘアアレンジの意味とは? と思うが、それこそ趣味なのだろう。わたしは、彼女に没頭する趣味があってよかったな、と嬉しくなると同時に、わたしには特にないのだな、と寂しくなった。
一人で何かに没頭する時間がある事って良さそうだ。わたしは一人で没頭しても30分が限界かも。一人じゃさみしいから。じゃあ大人数でやればいいじゃないってのも違って、近くて好きな人と一緒にいたいのだ。