「自分の環境を変えるのは苦手、という方も多くいますが、私は好奇心の赴くままに、新しい環境にどんどん飛び込んでいきたいタイプです」

結婚後、休業したのは自然な流れで

30歳を目前にしたころに、私生活でもいいご縁に恵まれました。ひとりの女性として、いずれは家庭を持って子どもが欲しいと考えていましたので、ごく自然な流れで結婚することを決めたのです。

しかし、そこで人生の流れがガラッと変わってしまいました。結婚後も仕事と家庭が両立できる環境でしたら、両立する道を選んでいたのかもしれません。しかし、北海道に移住することを家族で決めました。夫のお仕事柄、家を空けることも多かったので、特に子どもができてからは「両立は難しいね」と家族で話し合いをして、私は芸能活動をお休みすることにしたのです。

自分の環境を変えるのは苦手、という方も多くいますが、私は好奇心の赴くままに、新しい環境にどんどん飛び込んでいきたいタイプですので、「今はこれ!」とやりたいことが見えたら、切り替えが早いほうです。デビューが11歳と早く、この時点ですでに18年も働いていましたので、芸能界から少し離れて育児に専念したいという気持ちもこの決断の手伝いをしました。

出産後、すぐに仕事に復帰する女優さんも多くいらっしゃいますが、私は子どもから長時間離れることは考えられませんでした。どちらかの親に預けて仕事をするという発想もまったくなかったのです。

自分で納得して決めたことなので、子育てに専念したことはまったく後悔していません。見知らぬ土地で、ひとりで子育てするのは心細いと感じたときもありましたけど、「息子は私が守らないと!」という思いで夢中でこなしているうちに、あっという間に毎日が過ぎていきました。

そんな息子も今、小学校6年生になりました。背が伸びて、なんとうっすらヒゲも生えてきて、すっかり大きくなっちゃって……。男の子だから親離れも早いだろうなと、近頃では寂しいくらいです。子どもが小さい時は本当に大変でしたけど、今、思えばすべての経験が私の宝。これから再び仕事をしていく上で、子育ての経験がかけがえのない財産になっていると感じています。