昆虫の死に方は究極に進化した「プログラムされた死」

多くの昆虫は、交尾の後、役割がすんだと言わんばかりにバタバタと死んでいきます。それまでの活発な行動は嘘だったかのようです。

『生物はなぜ死ぬのか』(著:小林武彦/講談社現代新書)

カゲロウの成虫の寿命はわずか24時間足らずで、脱皮して交尾、産卵のあとは急速に老化し、まるで終了プログラムが起動した機械のように死んでいきます。

なんと彼らには口がありません。ほんのわずかしか生きないので、ものを食べる必要すらないのです。このように成虫の寿命は、子孫を残すためだけに使われるのです。無駄に生きないという意味では、積極的な死に方であり、究極に進化したプログラムされた死と言ってもいいです。