眠っている間にも学習は進む

眠っている間は意識がないため、私たちは、脳が完全に休んでいると思いがちですが、実は、脳は睡眠中にも活動しているのです。その根拠として、レム睡眠を挙げることができます。

睡眠と記憶には強い関連性が(写真提供:写真AC)

レム睡眠とは、急速眼球運動(Rapid Eye Movement:REM)を伴う睡眠のことです。眠りに落ちてから次第に睡眠は深くなりますが、その後浅い眠りであるレム睡眠に入ります。一晩の眠りの中では、約90分のサイクルでレム睡眠とノンレム睡眠が交互に起こります。

レム睡眠においては、眠っているにもかかわらず、起きている時と同様に大脳が活発に活動しており、また、心拍数が増加しています*3

レムを伴わない睡眠はノンレム睡眠と呼ばれる深い睡眠です。一晩の睡眠中に、レム期とノンレム期が交互に生じ、およそ4~5回程度のレム期があるとされています。レム期の脳は、覚醒寸前のところまで行き、再び深い眠りを伴うノンレム期へと移行します。

実は、このレム期には、新しく学んだことを、すでに知っていることと関連づけたり記憶を整理したりする活動が生じ、記憶の定着が生じます*4。その結果として、必要な時に思い出しやすくなります。また、眠る前には気づかなかった、ある情報と別の情報との関連性に気づきやすくなります。

つまり、眠っている間にも学習は進むのです。