徹底解説! 温泉の分類と効能

平成26年(2014)に、10種類の分類に改定された。しかし、中には旧泉質名の方が理解しやすいものもあるので、それぞれカッコ内に記しておく。温泉の泉質をはじめ、泉温、適応症などは施設内に掲示することが温泉法で義務付けられている。

温泉は、本当に効くの? と思っている人も少なくないと思うが、成分とその働きを知れば、効果を納得できるだろう。ゆったりと温泉に浸かりながら、成分が体に働き掛けている様子を想像してみるのも、案外楽しいかもしれない。

 

(1)単純温泉(単純温泉)

含まれる成分が単純だから単純温泉と呼ばれるのではなく、種類を問わず、溶存成分が1kg中に1000mgに達しない成分が薄い温泉で、温度が25℃以上のものをいう。日本では一番多い温泉で、成分が希薄であるだけに、身体に与える刺激が少なく、「中風(ちゅうふう)の湯」「神経痛の湯」として、古来名湯として親しまれている温泉が多い。

 

(2)二酸化炭素泉(炭酸泉)

二酸化炭素(炭酸ガス)が溶け込んだ温泉。炭酸ガスが無数に細かな泡となって肌にまとわりついて心地よい刺激が感じられ、「泡の湯」、「ラムネの湯」などと呼ばれる。炭酸ガスには末梢血管を拡張させる作用があるので、低温でも充分に温まり、血圧降下とともに保温効果が高い。

 

(3)炭酸水素塩泉

●重曹泉

ナトリウム―炭酸水素塩泉と表記される。お湯は肌につけるとヌルヌルするような感触があり、入浴後は肌がスベスベ滑らかになる。これは温泉が皮膚の角質層を柔らかくし、表面の古い層を取り除き、皮脂を落とす、せっけんと同じような効果を示すからで、和歌山の龍神温泉をはじめ「美人の湯」と呼ばれるものの大半がこの泉質である。

●重炭酸土類(どるい)泉

カルシウム(マグネシウム)―炭酸水素塩泉と表記。陽イオンのカルシウムやマグネシウムには鎮静作用や消炎作用があり、皮膚病やアレルギー疾患にも効果がある。