秘湯マニアの温泉療法専門医が教える-心と体に効く温泉

(4)塩化物泉(食塩泉)

ナトリウム―塩化物泉と表記される。塩味がするこの温泉は、海岸付近を中心にみられ、国内では単純温泉に次いで多い。入浴後は肌に付着した塩分が汗の蒸発を防ぐので保温効果が高く、上がった後もいつまでも体がホカホカと温かく感じる。

 

(5)硫酸塩泉(硫酸塩泉)

●芒硝泉(ぼうしょうせん)

ナトリウム―硫酸塩泉と表記される。主に飲用に用いられ、胆汁の分泌を促進し、肝臓病、胆嚢炎、便秘に効果がある。

●石膏(せっこう)泉

カルシウム―硫酸塩泉と表記。浴用では、皮膚の弾性線維を引き締めて肌のハリと弾力を保つ働きがあるので、別名「しわのばしの湯」とも呼ばれる。

●正苦味泉(しょうくみせん)

マグネシウム―硫酸塩泉と表記。飲むと苦みのある湯は「脳卒中の湯」と呼ばれ、高血圧や動脈硬化の予防になる。

 

(6)含鉄泉(鉄泉)

鉄を主成分とする温泉。湧出時は無色透明であるが空気に触れると鉄分が酸化し、茶褐色(錆色)に濁り、タオルまで茶色く染まる。透明の時に飲むと貧血に効果がある。