眼圧の上昇が視神経を圧迫。日本人の失明原因の第1位
【D】緑内障
目から入ってきた情報を脳に伝える役割を担う視神経。緑内障は、この大切な視神経が圧迫されて、視野が欠けたり狭くなったりする病気です。
原因は眼圧(目の中の圧力)が高くなることと、血流が悪化すること。水晶体や角膜には血管が存在せず、という液体が酸素や栄養を運んでいます。この房水を排出する出口が目詰まりを起こすと、房水の量が増えて眼圧が高くなり、視神経を圧迫して血流が低下するのです。
緑内障がやっかいなのは、失明につながる深刻な病気でありながら、かなり進行するまで自覚症状が表れないこと。そのため日本では緑内障で視力を失う人がたいへん多く、失明原因の約3割が緑内障です。
強度の近視や遠視の人は発症率が高く、また、遺伝的素因もあるので、該当する人はとくに注意が必要です。眼圧には基準値がありますが、正常値内でも発症する人がいるため、視力や視野の検査に加えてOCT(光干渉断層撮影)で診断を行います。
片目ずつ物を見て、見え方に異常がないか確認するなど、セルフチェックを行うことも有効です。
緑内障治療のメインは眼圧を下げること。点眼薬である程度眼圧をコントロールできますが、進行した緑内障の治療には手遅れになる前に手術が必要です。