『カムカムエヴリバディ』で雉真稔役を演じる松村北斗さん(写真提供:NHK)
朝ドラ『カムカムエヴリバディ』もいよいよ大詰め。ひなたの祖母であり、るいの母の安子の兄・算太が京都の大月家に。その後、るいたちと短くも温かい家族の時間を過ごして亡くなった。夫・錠一郎の勧めもあり、るいは算太の納骨のため岡山へ帰ることを決意。ひなたと桃太郎も連れて、雉真の家を訪れた。そこにはるいが会うことなく戦死した父・稔の写真が――。1994年の8月15日、終戦記念日を岡山で過ごす大月家。ずっと母への複雑な思いを抱えてきたるいの前に、白い軍服姿の父・稔が現れた。雉真稔役を演じた松村北斗さんが、ドラマの開始前に意気込みを語ってくれた、2021年9月23日の記事を再配信します


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2021年度後期 NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』に出演する、SixTONESの松村北斗さん。松村さんは、上白石萌音さん演じるヒロイン・橘安子(たちばな・やすこ)の運命を動かしていく名家の跡取り息子・雉真稔(きじま・みのる)を演じる。今回が始めての“朝ドラ”出演となる松村さんに意気込みを語ってもらった。幅広い世代にインタビューし続けてきたライター・上田恵子が取材現場で見た《松村北斗の誠実さ》とは?

「言っちゃダメだった!?」

「出演にあたってはオーディションを受けました。まず、動画を送っての第1次オーディションがあり、2次で実際に面接。その時『あともう1回くらいオーディションがありそうだよ』とマネージャーさんから言われていたんです。そうしたら数日後に、偶然会ったジャニーズ事務所の滝沢(秀明)くんから『(出演が決まって)よかったね、頑張ってね!』と言われて(笑)」

フライングで合格を知らされてしまった松村さん。彼はまだ、オーディションには続きがあるものと考えていたという。

「『あれっ、聞いてないぞ?』と思いつつ、『ありがとうございます。決まったんですか?』と尋ねたら、『あっ、言っちゃダメだった?』と。僕らにはずっと面倒を見てくれていたマネージャーさんがいるんですけど、『たぶん直接言いたいと思うから、この件はシーッでね』って口止めされました。でも、さすがにシーッはできないですよね(笑)」

『カムカムエヴリバディ』は、大正14年、日本でラジオ放送が始まった日に岡山で生まれた安子、その娘のるい、そしてるいの娘のひなたを主人公とした、親子三代100年にわたるファミリーストーリーだ。松村さんは、岡山弁での演技になるという。

「岡山弁はすごく難しかったです。オーディションの時に1シーン分の台本をいただいていたんですが、それは標準語だったんですね。なので親近感を持てたのですが、いざその役を演じる段階になって初めて、方言や時代背景といった全貌が見えてきて……。オーディションの時とは、役の見え方が大きく変わった記憶があります」