シルクロードに憧れてアフガニスタンへ

子どもの頃からNHKの『シルクロード』という番組が大好きでした。ラクダの隊商が砂漠を行く景色にずっと憧れていて。

初めての海外は短大の卒業旅行で、シルクロードの出発点・西安や新疆ウイグル自治区を回りました。その後アパレル会社に就職したけど夢を諦めきれず、会社を辞めて写真家になろうと決心。1993年に初めて、かつてのシルクロードの拠点であるアフガニスタンを訪れました。

ところが大自然や遊牧民の姿を想像していた私の目に飛び込んできたのは、戦車の残骸、地面に散らばるロケット弾、そして国内避難民の姿でした。難民キャンプには水も食料もなく、小さな子どもがささいな病気で命を落としていく。

どうすればこの国が平和になるのだろう。フリーのカメラマンとして何度もこの地を取材で訪れるうち、そう考えるようになりました。