『虚証』と『実証』そして『中間証』

お血の症状には、月経の周期の乱れや下腹部の痛み、肩こりなどがあります。

また、体が重く疲れやすい、手足が冷えたりむくむ、めまいがひどいといった症状は、水の乱れが原因だそう。

「『水毒』という状態に当てはまります。体内に余分な水分が溜まり、それが滞ることでもたらされる不調です」

気の流れが乱れ、頭や上半身へ逆流することもあります。

「これを『気逆』といい、突然、頭に血がのぼったり、体が熱くなったりするホットフラッシュといわれる症状が起こりやすくなるのです」

それぞれの症状に応じた漢方薬がありますが、まずは自分の体質を知ることが重要だと、伊藤先生はいいます。

「体質のことを『証』といい、大きく分けて『虚証』と『実証』、そして『中間証』があります。一般的にはやせ型で体力がない人が『虚証』、太り気味で体力や気力が充実している人が『実証』、両方を併せ持つのが『中間証』とされますが、ふだんは実証の人でも、仕事などで疲れて虚証になる場合も。自分がいまどのような状態にあるかを把握することが大切です(下記表参照)」

虚証と実証の特徴

虚証〉

□ やせ型で水太り
□ 脈が弱い
□ 声が弱々しい
□ 夏バテしやすく寒さに弱い
□ 寝汗をかきやすい
□ 皮膚につやがない
□ 食べ過ぎると腹痛や下痢になる
□ 空腹になると脱力感を覚える
□ 数日間、排便がなくても平気など

〈実証〉

□ 筋肉質で固太り
□ 脈が強い
□ 夏は暑がるがバテにくく、寒さに強い
□ 寝汗をかかない
□ 皮につやがある
□ 食べ過ぎてもお腹を壊さない
□ 体力や気力が充実している
□ 一日でも便通がないと不快になるなど