本日2月23日は天皇誕生日。新型コロナウイルス禍の影響で2020年以降中止が続いていた一般参賀も予定されており、天皇誕生日としては、令和への代替わり後初の実施となります。そこで今回、毎日新聞社で皇室担当記者を務めた成城大学文芸学部教授・森暢平さんが、天皇家の家族のあり方を記して好評を博した記事を再配信いたします。
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恋愛から家族をつくったとされる明仁(あきひと)上皇・美智子妃の登場後、一夫一婦制のもとで子どもを家庭で養育する、いわゆる「近代家族」としてそのあり方が語られがちな天皇家。しかし、森暢平さんによると、もっと前から、天皇家では多くの皇族たちが近代家族を目指し、その時代なりの恋をしていたそうで――。
多くの人が関心を寄せる「皇室の恋」
皇族は恋をする。
60余年前、明仁皇太子はテニスコートで見染めた正田美智子(しょうだみちこ)妃と恋に落ちた。秋篠宮眞子(あきしののみやまこ)内親王は、大学キャンパスで出会った同級生小室圭(こむろけい)に恋をした。21世紀に入っても、多くの人が皇室の恋に関心を寄せている。
外国でも同じだ。
英国のエドワード8世は、米国人女性、ウォリス・シンプソンと結婚するため、王位を捨てた(1936年の王冠を賭けた恋)。チャールズ皇太子とダイアナ妃との恋愛、結婚、破局は、世界の多くの人が注目し続けた。
運命の人と出会って、その人を心から愛して結婚し、最後まで添い遂げたい。
恋とは、多くの場合、そういう感情だと考えられている。皇族も恋をするだろう。それは、当たり前に思える。だが、昔からそうだったわけではない。