毎日周りに謝りながら仕事と育児の両立

職場で「ごめんなさい」、保育所の先生に「ごめんなさい」、子どもたちにも「ごめんなさい」。なぜ私は、毎日こんなに謝りながら働いているのだろう、と悩みは深かったですね。「どちらが仕事を休むか」で夫と揉めて、3歳になった長女が「病気になってごめんなさい」と泣き出したときには、自分が鬼のような母親に思えたものです。

このままでは、仕事も育児も満足にできない。31歳で夫の勤める国立長崎中央病院(現・国立病院機構長崎医療センター)へ移ったのは、病院と院内保育所と官舎の3つが徒歩5分圏内にあったからです。年齢が6歳も若い人たちと同じ立場の研修医として、ゼロからのスタートでした。

官舎は職場と住まいが近すぎるので、皆さん、あまり入りたがらないんですよね(笑)。でも私にはありがたかった。そして、同じような悩みを乗り越えてこられた病理学教室時代の女性医師の言葉が、支えになりました。

「あと3日、あと1週間頑張ってみようと自分に言い聞かせて、それが1ヵ月になり、1年になり、私もここまできたのよ」

1日1日を乗り切る私の胸には、いつもこの言葉があった気がしますね。そうして、子どもたちに手がかからなくなってきたころ、「もう1人産める!」と考えることができた。それが次女のMISIAです。

これまでと同様に、産後43日目で復帰。当直、超過勤務もしました。夫の不在時の深夜に呼び出しがあれば、24時間体制の院内保育所へ。次女は3歳で市中の保育所に移るまで、ここのお世話になりました。