災害や事故、介護や相続など、人生には不測のトラブルや、避けられない困難が訪れます。とはいえ、気軽に聞ける弁護士や税理士が身近にいるとは限りません。専門的な知識を得ることで、冷静な判断で被害を減らしたり、計画的に備えたりすることができます。ジャーナリストとして長年さまざまな現場を取材しているファイナンシャルプランナーの鬼塚眞子さんに、暮らしに役立つ豆知識を聞きました。第14回は「相続人が亡くなっているときの相続問題について」です。
目次
● 相続人が亡くなっている相続の問題点
● 実例 45年前に亡くなったAさんの相続トラブル
● 親族を動かした弁護士の言葉
● 相続トラブルは「カカオマメ」に注意
【カ】感情的にならない
【カ】勘違いをしない
【オ】思い込まない
【マ】巻き込まれない
【メ】メールではなく面談で
● 相続人が亡くなっている相続の問題点
● 実例 45年前に亡くなったAさんの相続トラブル
● 親族を動かした弁護士の言葉
● 相続トラブルは「カカオマメ」に注意
【カ】感情的にならない
【カ】勘違いをしない
【オ】思い込まない
【マ】巻き込まれない
【メ】メールではなく面談で
相続人が亡くなっている相続の問題点
家族には家族だけしか知らない歴史があります。また肉親だからといって、仲の良い家族ばかりではありません。しかし、これまでにお伝えしてきたように、相続に関しては親族と仲が悪いとか、絶縁している、あるいは交流がないなど無関係。また親に資産があってもなくても、揉めるときは揉めます。
たとえば、親が高齢になり、子どもに経済的援助をしてもらっているが、子ども同士の仲が悪い場合。親は最初はお金を多く出してくれる子どもの味方をしていたのに、いざ体が動かなくなって介護となった場合、やはり面倒を見てくれる子が大事…となったりするものです。
親がどのような配分で相続を考えているのか。わかりやすい「お金」と目に見えない「時間や手間」をそれぞれ主張し始めると、収拾がつかなくなることも。
やっかいなのは、相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内に行うことになっていますが、相続トラブルの期限は法律で定められていないことです。これは問題に終わりがなく、場合によっては根深くなることを意味します。
代表的な例は、不動産登記上に、すでに亡くなっている人の名義が残ったままになっている問題です。故人の子どもが存命ならその子どもたちに権利がありますが、その子どもも亡くなっている場合、孫などの血縁者が「代襲相続人」として権利を引き継ぐことになります。
そうなると話し合うべき相続人が増えます。孫たち(=いとこ同士)しか残っていない場合、親戚づきあいをしてこなければ「話し合いの席が初対面」というケースも。初対面者で建設的に話し合えればいいのですが、ことお金が絡むとあって、現実は円満な話し合いにならないことも多々あります。