そもそも肝臓とはどんな臓器か

そもそも、みなさんは、肝臓とはどんな臓器かご存じですか。

『肝臓のはなし-基礎知識から病への対処まで』(著:竹原徹郎/中公新書)

心臓は血液を全身に配る臓器、肺は呼吸をする臓器(もっと正確にいえば、酸素と二酸化炭素を交換する臓器)、腎臓は尿をつくって水と電解質を排泄する臓器、消化管は食べ物が通過して栄養を吸収する臓器です。

では、肝臓の働きは――? こう訊かれると、一言で答えにくいのではないでしょうか。

実は、「一言で答えろ」といわれると、私でも困ってしまいます。肝臓は、実に多様な働きをする臓器だからです。

その特徴をあらわす言葉を探せば、「体内で最大の臓器」「再生する臓器」「代謝の中枢臓器」などが挙げられるでしょうか。今回は前後編にわたって、それらの特徴をひとつずつ紹介します。