50歳の野望は…

今回、「のぶ」の大将を演じる大谷亮平さん、看板娘の千家しのぶを演じる武田玲奈ちゃんとは2年ぶりの再会となりました。お会いした印象は「2年前と全然変わらない」だったんですが、シーズン1の映像を見返してみると、少し雰囲気が変わっていて、時間の流れを感じましたね。

この2年間でミュージックビデオを撮らせていただいたり、クラウドファウンディングで映画を制作したり、昨年は『池袋ウエストゲートパーク』の舞台演出を手掛けるなど、新しい挑戦をさせていただきました。

僕も今年の4月で50歳。2008年に小説『ドロップ』を自分で映画化することになり、監督デビューして14年が経ちます。たまに、芸人としての品川祐と監督としての品川ヒロシ、どちらに重きをおいている? と聞かれることがあります。

もし今の時点でテレビのMCや冠番組があったら、60歳、70歳と先のことも見えたかもしれないんですけど、10年後の僕を想像してみた時に、60歳の僕がひな壇に座っているというのはちょっと違和感がある。

たとえば狩野英孝くんみたいに、天然キャラで愛される芸人って、歳をとって今より喋れなくなっても、きっとみんなに面白いと受け入れられると思うんです。今の出川哲郎さんみたいに。ただ、僕みたいな喋りが持ち味のスタイルの芸人って、反応が遅いとか、パッと誰かの名前が出てこないっていうのは致命的。実際に僕自身、昔よりも瞬発力がなくなったのを日々実感します。