こんな店が本当にあったら絶対に通う

コロナ禍の撮影でしたが、大きな中断もなく、ほとんどスケジュールが遅れることもなくできたのも、スタッフさんがすごく気を遣ってくれたおかげですね。

シーズン1の時は、撮影で作った揚げたての唐揚げなどをスタッフみんなで食べるのが楽しみでした。でも、今回の撮影では感染拡大防止の観点から、作った料理を食べてはいけない。そして僕たちは広い倉庫のようなところで全員黙って、冷めた弁当を……まるでアメリカの刑務所みたいでしたよ(笑)。こんなあたたかい、美味しそうな料理をみんなで撮っているのに食べられないというのは、やっぱり辛かったですね。

(撮影◎初沢亜利)

『異世界居酒屋「のぶ」』には装飾美術部とか、録音部や映像部……たくさんのスタッフが関わってくれています。僕や俳優さんはこうして代表として表に出て取材を受けて、チヤホヤされるけれど(笑)、作品はみんなで作っているもの。埃にまみれながら、疲弊しながら妥協せずにいいものを作ってくれているスタッフのみんなと、せめて美味しいものを食べたいという思いがあったので、そこはちょっと悔しかったかな。でも、食事を俳優さんに提供するので、もしものことがあったらいけない。衛生面に関しても1回1回消毒して、ビニールの手袋をしてとかなり気を遣ったからこそ、無事に撮影することができたんだと思います。僕もスタッフも、みんな飲みにいくのも我慢して……。

僕自身は先日、蔓延防止措置が解除されたことを受けて、2年ぶりくらいに居酒屋に行きました。久しぶりだな~という感慨もありましたが、行ってみて「そこまで居酒屋に行かなくてもいいかな」とも。こんなドラマを撮っているのになんですが(笑)。実は「のぶ」ってまさに僕の理想の居酒屋なんです。僕の好きな居酒屋のイメージと原作に描かれている要素を合わせて美術さんに作ってもらいましたが、こんな店が本当にあったら絶対に通ってしまいます。(笑)

映像ではこぢんまりとしたアットホームなお店に見えると思いますが、撮影用に作ったセットなので案外広い。この広さにこの席数じゃ、採算取れないだろうなあ、なんて思いながら(笑)。しかも、タイプの違うとても綺麗な店員さんが3人もいる(笑)。最高ですね。