義母(右)も一緒に、実母(中央)の83歳の誕生日会を(写真提供◎加藤さん)

同居に関してのルールも、とくに何も決めませんでした。みんな自立した大人ですから、相手を思いやる気持ちを大切にして、問題や不便を感じたら、その都度対応していけばいい。第一、物忘れの激しい母たちは、ルールを決めたところですぐに忘れちゃいますからね。(笑)

その代わり、わが家では「伝える」ことを大事にしています。たとえば、義母はお風呂に朝入るのですが、私が仕事の前にシャワーを浴びたいときは「明日の朝7時半に使います」と書いた紙を前日の夜に風呂場の扉に貼っておく。お風呂に限らず、やりたいこと、やってほしくないことを伝え忘れたら自分が悪いので、怒るのはナシ。これは、子どもたちも一緒です。

冷蔵庫も、最初はそれぞれが使うスペースを決めていましたが、すぐに収拾がつかなくなりまして。いまは、早い者勝ちで入れたいところに入れる方式を採用。その際も、食べられたら困るものは自分の名前を書いておくか、「食べないで」と伝えておくことが必須です。(笑)

もちろん、いきなり大所帯になったので、雑事が増えて大変なときもありますよ。同居をスタートした直後に、義母と実母が代わる代わる怪我したときは、介護に家事に子育てに仕事にとてんてこまいでしたし……。日頃から、夫の上の姉や近所に住んでいる私の姉も何かと手伝いに来てくれてはいるものの、自分の時間なんていまもほぼゼロに近い状態。それでも母たちと同居して、むしろ助かっていることのほうが多いんです。

ウォーキングが日課の義母は、帰りにスーパーに寄って孫たちのお菓子やフルーツを買ってきてくれますし、玄関に分別したゴミを置いておけば、出かける際に捨てて行ってくれる。私が仕事で急いで出かけなければならないときも、「お願い」と頼めば、2人とも快く食事の後片付けをしてくれるので助かります。料理が得意な実母は、ときどき夕飯も作ってくれますしね。