「メゾネットタイプのマンションの1階にキッチンとリビングと義母の部屋、2階に私たち家族と実母の部屋という部屋割りで、3世代同居を始めることになりました」
義父の入院を機に、義母と、足腰が弱ってきた実母と一緒に暮らすことを決めた加藤貴子さん。世代の違う大人4人、子ども2人の大家族がトラブルなく暮らすには何かルールがあるのでしょうか。(構成=内山靖子 撮影=藤澤靖子)

義母も実母も大切にしたい

2021年4月から、85歳の義母、83歳の実母、夫、私、2人の息子の6人で3世代同居をスタートしました。きっかけは、一昨年90歳の義父が尿路感染症になったこと。治療のために入院したところ、寝たきりの状態が続いて歩けなくなり、さらに尿路結石も併発して、いまも入院したままです。

そのこともあって、「高齢の義母をひとりで家に置いておくのは心配だよね」と夫と話し合った結果、義父母のマンションをバリアフリーにリフォームし、同居しようということになったのです。

必要に迫られての判断でしたが、同居は決して勢いで決めたわけではありません。私は3姉妹の末娘で、夫は姉が2人いる末っ子長男。9年前に結婚したときから、将来は夫の両親と同居することを視野に入れていました。

さらに「両親の面倒は私が見るから」と言っていた夫の2番目の姉が数年前に亡くなってしまったこともあり、その思いはいっそう強くなっていたのです。

一方、うちの母は60代のときに夫を亡くしておひとりさまに。静岡の実家で暮らしていましたが、4年前に私が次男を出産してからは、「子育てを手伝うわ」と、私の家と静岡の家を数ヵ月おきに行き来する生活を送ってくれていたのです。年を重ねて、足腰が弱っていく実母を見ているうちに、どこかのタイミングで一緒に暮らせたらいいなと考えるようになりました。

義母も実母も大切にしたい。そんな私の思いを義母が汲んでくれたのでしょう。同居を申し出たとき、「たかちゃん(加藤さんの愛称)のお母さんの部屋も作って、みんなで一緒に住めるようにしよう」と言ってくれたのです。

母は最初こそ遠慮していたものの、リフォームしたマンションに泊まりに来たら、意外と居心地がよかったようで(笑)。メゾネットタイプのマンションの1階にキッチンとリビングと義母の部屋、2階に私たち家族と実母の部屋という部屋割りで3世代同居を始めることになりました。