それともうひとつ。義母と実母の双方がいることで、家庭内の空気が円満になったことが想像以上にありがたいことでした。みなさんもそうかもしれませんが、実の親に対してはつい無遠慮になってしまいがちです。たとえば母と私は料理の味付けに関してよく揉めるのですが、「コクが足りない」「お肉の焼き加減が下手」とズバッと言われると、こちらもケンカ腰になってしまう。
そんなグチを義母にこぼすと、「たかちゃんのお母さんは料理上手だから」と、なだめてくれる。夫もまた同じで、義母に対して夫が厳しい物言いをしているときは、私が間に入るようにしています。夫も私も相手の親には優しくいられるので、お互いにフォローしあえて、すごくバランスがいいんですよ。
同居と在宅介護はイコールではないから
子どもたちにもいい影響がたくさんありました。おばあちゃんたちはちょっと転んだだけで骨折するから大変なんだ、ということを目の当たりにして、「自分も戦力にならねば」と自然と考えるようになったみたいです。
耳の遠い実母のために、長男は「ごはんができたよ!」と、2階まで知らせに行ってくれる。おしゃまな次男は、義母がウォーキングに出かけるときに「ちゃんとお水を持った?」なんて、上から目線でアドバイスしたりして。(笑)
とはいえ、母たちと同居したことで、ただでさえ忙しい私がさらに忙しくなり、自分に構ってくれないと子どもたちが不満に思うことが増えたのも確かです。決して母たちを優先しているわけではなく、「私は先着順だから、早い者勝ち」と言ってあるんですけど、「アンくんばっかり、いつも後回し!」と次男はしょっちゅう泣き喚いています。(笑)