江戸川区に外国人が集まった理由とは

さらに小岩の評価を探ると「多国籍なお店がひしめくカオスな街」という印象もあるようだ。

そのワケについて、小岩のある江戸川区に外国人が集まった理由を「地域社会における外国人の集住化に関する調査報告――江戸川区のインド人コミュニティを中心に(周、藤田)」を引用して解いていきたい。

同レポートでは、「江戸川区に居住する外国人の最大の特徴はその多様性にある」としている。江戸川区では戦前から在日朝鮮・韓国人が区北部に集住し、戦後は引揚者受入施設が区内に移転し、それに伴い1980年代に入ると中国残留邦人などの中国帰国者が増え、区南部の公営住宅に集住した。

90年代後半以降は、区南部の再開発で多くの団地や集合住宅が建設され、中国人やインド人が住み始めた。

かくして(外国人が昨今急増する前から)在日朝鮮・韓国人、中国帰国者、ニューカマー中国人、インド人など多様な出自を持つ人々が江戸川区の特定の地域に居住していた、と同レポートでは結論づける。

中国帰国者とは、第二次大戦後に中国の東北地方に残った「中国残留邦人」のうち、その後日本に帰国した人とその家族のことをいう。中国在住者が最も早期に日本に集住した地域が、口コミを重ねてニューカマーを呼び寄せたという話は江戸川区だけでなく、大阪の伊丹でも聞く。

江戸川区について調べてみると、小岩ではなく2駅隣の平井に多く集住していたそうで、今も帰国者のゲートボール大会や帰国者が慣れた中国語で会話する施設が平井にある。

長く中国に在住した中国帰国者の中には、日本各地で料理屋を開いている人もいる。「中国帰国者支援・交流センター」のサイトからは、東京新宿の北京料理「玉蘭」や福岡六本松の「ニイハオ!ポンユウ」をはじめとした、帰国者が開いた店があることが確認できる。

ガチ中華ブームの遥か前から営業しているため日本式の町中華になっている店が多いが、話をしてみると何か裏メニューを作ってくれるかもしれない。