70代で職探し。介護の仕事なら役に立てるかもしれん

それから3年経った頃、長女が遅い結婚をしたのをきっかけに、19年続けた薬局を閉めることに。家事に育児に仕事に介護にと忙しくしてきたけど、気づけば、「あらま、明日から何もすることないわ」って。

その時、私は72歳。自営業でしたから、年金といってもわずかなものです。何より自分がまだまだ元気でしたし、「仕事を見つけて働こう」とすぐに思いました。それで市役所の相談窓口に行ったのですが、「何か資格はありますか。なんにものうて、年いってる人は難しいですよ」って。シルバー人材センターでも、「せめて60代で来てくれたらなあ」と。あっちでもこっちでも、年齢のせいで断られました。

これではいかんな、短期間で取れる資格はないだろかと考えていたら、ご近所さんも親戚も周りにいる人みんな年寄りばかりやなと(笑)。それなら、介護の仕事なら見つかるんと違うか、役に立てるかもしれんなと思いついたんです。

そこで市の助成制度で介護職に就くための資格を取りたいと、また市役所に相談しに行ってみました。ところが、私がホームヘルパー2級(現・介護職員初任者研修修了者)を取ろうとした15年前は、助成制度の対象は55歳まで。「どこか、資格が取れるところ知りませんか?」と食い下がったら、役所の人たちが大きな声で「おーい、年いってから介護の資格が取れる業者知ってるかあ」って。(笑)

その時、「そこに業者が置いていったパンフレットがあるから、自分で問い合わせてみはったらどうです」と言われたので、何冊かもらって家で開いてみましたが、費用が高かったり場所が遠かったり。でもその中に偶然、亡くなった夫が1年半ほどお世話になった介護サービス会社のパンフレットがあったのです。

職人気質の夫は気難しい人で、ヘルパーさんにも無理を言うし、デイサービスも「こんなとこ嫌や」と1日で行かなくなってしまう。でも、そこのケアマネさんはいつもニコニコして、「お父さん、気に入らへんならまたよいところ探すわな」って、すごく大事にしてくれはった。あの会社やったら私も働きたいと思って、さっそく電話をしたら年齢の制限もありませんって。嬉しかったですね。