幼いときに信頼関係を築くことができれば、その後の子育ては楽になるとのことで――(写真提供:photoAC)
子育ての場面では、わが子を期待したり、心配したりするあまり、感情的な言葉をつかってしまうこともあると思います。忙しい中、適切な言葉を選ぶのはなかなか難しいことですが、4人の子ども全員を東大理三に合格させた佐藤ママは「声かけひとつで、子どものやる気が変わり、勉強にも前向きに取り組むことができるようになる」と言います。では子どもに「してはいけない声かけ」と「よい声かけ」とはどのようなものでしょうか。その一つとして「子どもに考えさせて、自分の意見を言わせる」ことが大事とのことで――

子どもの気持ちに寄り添った声かけで、信頼関係を築く

親の心構えとして、100%子どもに寄り添う覚悟をしてほしいと思います。「お母さんはいつも味方」「お母さんはどんなときも守ってくれる」と、幼いわが子に信頼されるためには、毎日の声かけは非常に重要です。

たとえば、子どもが困っているときには、「それは困ったね」「それは大変だね」と子どもの状態に深く理解を示し、転んで足をすりむいて泣いているときには、「痛いよね」と痛さを想像することから出てくる、心から子どもを思いやる言葉をかけることです。

『子どものやる気がどんどん上がる魔法の声かけ 3男1女東大理三合格の母が12歳までにかけた言葉』(著:佐藤亮子/中央公論新社)

また、子どもが話しかけてきたとき、たとえ家事で忙しくしていても、「忙しいから後で」「ちょっと待って」などとは決して言わず、お母さんのやっていることは中断して、「は〜い」「なあに」とすぐに話を聞いてあげましょう。

子どもに「後でね」と言っても容易に家事は終わりませんから、子どもはかなり待たされることになります。子どもの膨らんだ好奇心は、「後でね」の一言でシューッとしぼんでしまいます。