子どもに伝えるときに「〜しなさい」という命令口調だと、そのことに反対の意見を持っていてもとても言い出せません(写真提供:photoAC)

「叱る」ことと理由の説明はセットで

子どもに何かをさせたいときに、ただ「〜しなさい」と命令したり、叱るときにただ「〜したらダメでしょ!」と言ったりしていませんか。子どもも言葉を尽くして説明すれば理解しますので、必ず、理由を話してあげてください。

私は、「〜しなさい」と威圧的な命令口調では言わないようにしていました。命令されるとイヤなものですからね。そのことをすべき理由を丁寧に説明したうえで、「〜した方がいいと思うよ」というような感じで言っていました。「〜しなさい」という命令口調だと、子どもはそのことに反対の意見を持っていてもとても言い出せません。

でも、親が「〜した方がいいと思うよ」という言い方をすると、気楽に自分の思ったことを親に話すことができます。子どもに有無を言わせずにやらせるのではなく、常に子どもの意見に耳を傾けることが大切なのです。

子どもの言い分を一切聞かずに、無理矢理やらせていると、いつしか子どもの心にはストレスが溜まり、不満が爆発します。

叱るときも、そのことをやってはいけない理由を説明してあげましょう。「〜したらダメでしょ!」と叱るときには、母親は甲高い声、父親は恫喝するような大きな声になりがちです。理由も言わずにこのような声で叱ると、子どもの頭のなかには怖い記憶だけが残り、何を叱られているのかわかろうとする余裕すら持てません。経験値がまだ低い子どもは、大人の常識をよく理解していませんから丁寧な説明が必要です。

また、理由を説明せずに「〜したらダメでしょ!」とだけ言うと、子どもは理由がわかりませんからまた同じことをやってしまい、親はそのことをまた怒るという悪循環に陥りやすいです。そうなると、親も子も毎回不愉快な思いをしますよね。

私は、何事も「なぜ?」ということを大事にしていました。理由のないことで人を説得することはできませんし、何事も理解して納得したら前に進むことができると思っているからです。