放送作家・コラムニストとして、数多くの著名人にインタビューし、コメンテーターとして活躍している山田美保子さん。小さいころは引っ込み思案で話すことも苦手だったそう。そんな山田さんを変えたのは何だったのか。さまざまな出会いや、出会った人のアドバイスを通じて、今の自分があるという山田さんが、自分が楽になるコミュニケーション術を紹介する新連載。第10回は「大学の同級生、名取裕子さんのこと」です。(写真提供◎山田さん)
女優にまつわる都市伝説に近いウワサ
「今の時代、『私、女優よ』なんて言っている人は、すぐに現場で嫌われてしまって、仕事が来なくなると思いますよ」
「特に裏方さんに好かれていないと、苦労することになってしまいます」
とは、80年代~90年代、ドラマや映画で主演を務め、一世を風靡していた某女優さんのインタビューで伺った話です。
長年、業界にはいるものの、《バラエティ班》である私にとって、ドラマや映画の現場の話はリアルには伝わってきません。時折、まことしやかに流れてくるのは、「大物女優が若手女優の演技や言動に対し、厳しい意見を言った」とか、「人気女優に監督が少し注意したら楽屋に籠って何時間も出てこなかった」という都市伝説に近いウワサばかり。
ただ、時折、バラエティ班のディレクターがドラマや映画を撮って、「本当に大変だった」という話を耳にすることも。比較的年代が近い女優さんが大勢出ている作品で、ポスター撮りの際や、名前を出す順番などについて、大モメしたとも聞きました。
バラエティ班の番組だと、「五十音順」という《逃げ》があるのですが……。