同居している息子が、最新の4WD車をキャッシュで買ってきて――(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは70代の主婦の方からのお便り。雨の日以外毎日続いているという、その日課は――。

こっそり洗車するわけ

40代半ばで独身の息子と同居している。その息子が最新の4WD車をキャッシュで買った。わが家の駐車スペースには夫の車を駐めているので、息子は近くの駐車場を借りた。

夫はその前を通りかかるたび、「いい車だなぁ、俺のとはえらい違いだ!」と言う。

立派な車なのに息子は仕事が忙しいと言って、車の手入れをしない。貧乏育ちの私には、その車がお金に見えて気が滅入る。

息子の勤め先はブラック企業のようでとにかく忙しく、土日も出勤。しかし、土曜の午前中は遅くまで寝ているので、そこを狙って脚立を持ち出し、洗車することにした。

やるからには手を抜かず、ホイールまで磨く。息子には黙ってやっていたのに、夫が口を滑らせた。

「恥ずかしいのでやめてくれ!」と強く言われたが、私とて同感だ。いい年をした息子の車を70歳の婆さんがせっせと磨いている姿など、あまり見かけない。