好きなように洗車できたら……
そこで人の目がない早朝に切り替えた。夫の弁当作りがあるので朝は早い。台所に立つ前に実行することに。近所の家の雨戸は閉まっているし、車の往来もまばらだ。
あちこち手を伸ばして車の周りをくるくる動きまわるので汗をかくし、いい運動になっている。
最近、息子は、家に入れる金額をアップしてくれた。私たちは金額に対して一切口出しはしていない。息子が決めたことを尊重している。
息子はその生活費を忙しさのあまり忘れることがあり、そんなとき私は遠慮なく請求する。「さすが母親だ。俺には言えない」と夫。そんなものだろうか。「その中に洗車代も含まれているってことか?」と笑って私の行動を黙認している。
雨の日以外は、いまも車磨きは続いている。相変わらず〈こそこそ感〉は拭えない。
そんなとき私は思う。どうせ死んでいく身、好きなように生きようと……。
恥の意識を捨てて、自分にハッパをかけ強気になるのだった。