口出しよりも話を聞くことが大切

以前、子ども向けの書籍を作った際に、保護者の方の悩みを聞いたことがあります。とあるお母さんは、アロマセラピストの資格をとって子どものマッサージを習慣にしたら、習っているスポーツの話をしてくれるようになったと言っていました。

そこまですることに感心したのと同時に、選手とトレーナーの関係に似ているなと思いました。選手たちはストレッチやコンディショニングのときだとリラックスしているせいもあって、トレーナーには結構いろいろなことを話してくれます。監督やコーチ、チームメイトにはなかなかできない相談をしてくることもあります。

子どもたちも誰かに相談したい悩みを抱えているかもしれません。マッサージをしてあげてくださいとは言いませんが、競技について口出しをするのではなく話を聞いてあげる、子どもたちがリラックスして話しやすい環境を作ってもらえたらなと思います。

 

※本稿は、『子どもを壊す部活トレ 一流トレーナーが教える本当に効く練習方法』(著:中野ジェームズ修一/中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。


子どもを壊す部活トレ 一流トレーナーが教える本当に効く練習方法』(著:中野ジェームズ修一/中公新書ラクレ)

「そのトレーニング、子どもたちには危険です。」

皆さんは、部活動でどんな練習をしていますか? もしくは子どもの頃、どんな練習をしていたでしょうか。水分補給の禁止やウサギ跳びなど、今では考えられないようなことをしてきた人もいるでしょう。現在ではだいぶ変化してきたものの、世界のアスリートたちをサポートしてきた著者からみると、まだまだ改善すべき点が多く、学生たちの話を聞く度、驚愕することが多いと言います。本書は、フィジカルトレーナーとして青学駅伝部を優勝に導いた立役者の一人である著者が、勝つためのトレーニングやケアの仕方を教えるもの。「全員で同じ練習をこなすのは無理がある」「アキレス腱のばしの準備体操には意味が無い」「負けた試合を振り返るのは逆効果」など、熟知しているからこその目から鱗の情報も満載です。

今まさに部活動に勤しんでいる若者たちはもちろん、親や家族、コーチ、教育関係者など、成長をサポートする人たちも必読の1冊。日頃のトレーニングを効率良くする方法を知るのにも、役立ちます。
《「読売中高生新聞」好評連載「間違いだらけの部活トレ」待望の書籍化! 》