ソローに倣う孤独生活
孤独になりたければ、いくらでも方法はあります。
その気になれば山小屋で炭焼きを始めてもいいし、山にこもって自給自足の生活を始めてもいいでしょう。
アメリカの思想家で作家のヘンリー・D・ソローは、森の湖畔に自作の丸太小屋を建て、自給自足の生活を始めました。
その記録をつづったのが名著『ウォールデン 森の生活』。彼は社会にまみれ、汚れることをよしとしなかったのです。機会があれば一読をおすすめします。
ちなみにソローは友人に関するこんな名言も残しています。
「友を探し求めるものは不幸である。というのは、忠実な友はただ彼自身のみなのであるから。友を探し求めるものは、己自身に忠実な友たりえない」
簡単にいえば、「自分のことをいちばん理解している友は自分自身である。だから真実の友を追い求めるのは無駄であり、不幸である」ということになるでしょう。社会を嫌い、ひとりで森にこもったソローらしい考え方です。
しかし、僕からするとそこまでストイックになるのは少々窮屈な気がします。
僕も漫画家ですからソローと同じく、紙とペンさえあれば、どこでも仕事ができる職業です。
孤独になりたくて、「いっそ無人島にでも移住してやろうか」と思ったことがないと言ったら噓になります。
でも、考えてみたら僕は大自然の中より都会が大好きですから、無人島など1週間もすれば飽きてしまい、そんな生活が送れるとは思いません。