嫌われ者は「孤独」ではなく「孤立」する

これがアプリになると、さらに難解さは増します。説明書はありませんから、人に聞いたり、ネットで検索するなどして、自分で積極的に使い方を調べなければなりません。せっかくダウンロードしたのに使い方がわからず、イライラして即削除なんて経験もあるのではないでしょうか。

『増補版-弘兼流 60歳からの手ぶら人生』(著:弘兼憲史/中公新書ラクレ)

相手が機械やアプリならまだよいですが、これが人になってしまうと嫌われる原因になります。

若い人の言うことがよくわからない。自分の常識と違う。人間とはかくあるべきなのに! そんな思いにかられるとイライラして、ひどい場合になると、暴力事件になったりするわけです。

ここ最近、すぐにキレる高齢者が、「暴走老人」などと呼ばれ、そういった人が起こした事件を見聞きすることも増えましたが、やはり頑固さが原因なのだと思います。

「年長者なのだから俺の言うことを聞け」「少しくらいわがままをしても許されるはず」。そういう態度だと周囲から嫌われ、浮いてしまいます。

それは「狐独」ではなく、「孤立」です。

孤独を楽しむことはできますが、孤立すると人生には損しかありません。困った時に誰も手を差し伸べてくれないからです。

自分のペースは大事ですが、周囲に迷惑をかけてはいけません。僕のファミレスの楽しみも、『孤独のグルメ』の主人公も、孤独は楽しみつつ、誰にも迷惑をかけていることはありません。