子どもたちを指導する池江さん(写真提供◎池江さん)

 

悪いことをしたときは、「あなたはダメね!」と人間性を叱るのではなく、「これをしてはいけません」と行為について叱ってほしい。「その行為を直せば、あなたは素敵な子」と認めてあげるほうが子どもの成長にはいい、と私は考えているからです。

そして、どんなときも物事をポジティブに考え、すべてをよい経験と捉えられるようになれば、子どもの可能性を伸ばすことができます。

かつて大家族が一般的だった時代は、祖父母や近所のお年寄りが、親とは異なる視点で子どもを見ていたでしょう。でもいまは「孤(こ)育て」とも言われるように、孤独のなかで子育ての悩みを抱え込んでいる若い親御さんが多い。

幼児教育に携わっている者として、「子育ては本来もっと楽しいもの。接し方を変えるだけで、親子関係はラクになるはずよ」と伝えていきたいと思っています。

私が幼児教育に興味を持ったのは20代。結婚して専業主婦となり、そろそろ子どもがほしいな、と思うようになってから、妊娠や出産に関する本や育児書を読むようになったのです。

第一子である長女を授かると、栄養面はもちろんですが、たとえば私は多様な出産方法にも興味を持ちました。病院の都合で「産まされる」のではなく、妊婦や赤ちゃんにとって自然なお産がしたい。

そう考えて助産院を探しましたし、長女の教育法を考えるなかで「親の遺伝子よりも、よい環境や優れた刺激が子どもの脳を育てる」ことを知り、知識だけを与えるのとは違う、右脳教育のメソッドに惹かれました。

出産後、せっかく働くならいま最も興味のあることを仕事にしようと、幼児教室を開くことに。生まれたばかりの長女を実家に預け、張ってきたお乳をトイレで搾乳しながら教室を開くための講習会に通い、出産から1年4ヵ月後には教室をオープンさせました。