幸四郎 2019年は、三谷幸喜さんの作・演出で染五郎も出演した『月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと) 風雲児たち』や、チャップリンの映画『街の灯』を原作にした『蝙蝠の安さん』を上演するなど、いろいろ実現できた年だった。
染五郎 そばで見ていて、すごいなと思っていました。三谷さんから「こんなふうにやってみて」という提案があると、絶対に「そんなことはできない」とは言わず、必ずそれを形にしていたので。
染五郎 そばで見ていて、すごいなと思っていました。三谷さんから「こんなふうにやってみて」という提案があると、絶対に「そんなことはできない」とは言わず、必ずそれを形にしていたので。
2016年には祖父・父とともに高麗屋三代揃って襲名を果たした「プリンス」として、歌舞伎への思いはひとしお。以下のようにも熱く話している。
染五郎 僕も、自分で歌舞伎にしてみたいものはあります。シルク・ドゥ・ソレイユの『O(オー)』には感動しました。ほかにも影響を受けたものはいっぱいあるけれど、一番好きなのはマイケル・ジャクソン。今回、『婦人公論』さんから好きな言葉を直筆でというご依頼があったので、マイケルの言葉から選んで書きました。
マイケルを好きになったのは、「吉本新喜劇」がきっかけだという染五郎さん。NHKのこども番組『ハッチポッチステーション』で、グッチ裕三さんがマイケルのモノマネをして「マイケル・ハクション」をやっていたのを見て、曲が体にしみ込んだのだとか。吉本新喜劇では、芸人のアキさんがマイケルの曲が流れると踊り出す、というギャグをやっていて、それで好きになったと対談では以下のように幸四郎さんに語っている。
染五郎 それが最初のきっかけです。僕がそれを見ていたら、「これが本物だよ」って、「BAD」という曲のミュージックビデオを見せてくれたでしょう。そこからハマりました。「ビリー・ジーン」という曲のPVは、男の人が帽子をかぶり、マイケルにスポットライトが当たるところから始まるけれど、衣裳が白と黒だけのモノクロの世界。そのシンプルな感じにすごく惹かれたので、いつか歌舞伎に取り入れてみたいと思っています。(略)
いつか一から新しい歌舞伎を創りたいという思いで、今もいろいろとアイデアを書き続けています。(略)
お父さんがそうやっていつも歌舞伎の未来を考えているように、僕も何かを観て感動すると、まず歌舞伎に生かせないかな、と考えます。僕は未熟で自分自身が中心になって何かができる存在ではありませんが、本当に歌舞伎が好きです。
いつか一から新しい歌舞伎を創りたいという思いで、今もいろいろとアイデアを書き続けています。(略)
お父さんがそうやっていつも歌舞伎の未来を考えているように、僕も何かを観て感動すると、まず歌舞伎に生かせないかな、と考えます。僕は未熟で自分自身が中心になって何かができる存在ではありませんが、本当に歌舞伎が好きです。
歌舞伎界の御曹司として生まれ、芸により一層打ち込めるようになった今、染五郎さんのますますの活躍に期待したい。