プレイ後はコーヒーブレイク。利用者と交流することもある(写真提供◎ISR e-Sports/問い合わせ TEL 078-366-1355)

同じレベルのシニアだから安心して楽しめる

とはいえ、竹田さんはそれまでゲームをしたことがなかった。子どもたちが長時間夢中になっているのを見て、困ったものだと思っていたのだそう。そんな竹田さんにスタッフがプレイ方法を一から教えてくれた。

「やってみたら最初から面白かったんです。集中しているからでしょう、90分があっという間。周りが同じゲーム初心者というのも安心材料ですね。さすがに若者と一緒にプレイするのは気が引けますから」

なるほど、同レベルのシニアだからこそ、楽しめるのか。竹田さんお気に入りのゲームは「ぷよぷよ」。2つ1組で落ちてくる《ぷよ》を、同じ色どうし4つ以上くっつけて消滅させる「落ちものゲーム」だ。竹田さんはひとりで練習したり、コンピューターを相手に対戦形式でプレイしたりしている。

90分では物足りなくならないのだろうか。スマホゲームに課金してしまったことのある私は聞かずにはいられない。すると竹田さんは「ふふふ」と面白そうに笑って、「確かに続けてやりたくなりますけど、でも90分は絶妙な時間なんです。ちょうど疲れて集中が切れてしまうから。もうちょっとやりたいというあたりでやめるのがいいんでしょうね」と。

会員のモチベーションを上げるために、「ISR e-Sports」では、会員の成績を記録し、順位を発表している。竹田さんは先日、5位にランクインした。

「上位にいくとそれは達成感がありますよ。ゲームが終わったあと、今日はどうだったとか、コーヒーを飲みながら話す、30分のクールダウンタイムも楽しいんです」

週1度、月3回程度のペースで通って、けっこう腕を上げたかもと思った竹田さんは、正月に帰省した娘と「ぷよぷよ」で対戦してみた。結果はぼろ負け。「弱くて相手にならない」と言われてしまったそう。

「そりゃあ、悔しいです。でも、ひとつのゲームについて、娘や孫と話せるのはもっとうれしい。次こそは娘に勝ちたいです」と顔をほころばせた。