芸歴の長さは伊達じゃない

長谷川 漫才でやる「まさのりギャグリーチ」の中に入れた「レーズンパンは、見た目で損してる!」や「キャラメルは、銀歯どろぼう!」の一発ネタとか、「のりのりまさのりダンス」……これらのネタには、特別な思い入れがあるんだよね。

『くすぶり中年の逆襲』(著:錦鯉/新潮社)

渡辺 うん。「レーズンパンは~」は、『M-1』の後で、札幌市内で同じ名前のパンが売り出されたしね。雅紀さんの代表的なギャグとして、今では、皆さんに知ってもらえるようになったけど、ここまで来るのが大変だったからな。

長谷川 芸歴の長さは伊達じゃない、ってことだよ。

渡辺 確かに。50歳のオッサンの頭を平気で引(ひ)っ叩(ぱた)けるのも、この芸歴あればこそだからね。ただ、皆さんはマネしちゃダメですよ。ボクらはちゃんと、芸として引っ叩いていますから。雅紀さんの後頭部のどこを叩けば痛くなくて、パーンと乾いたいい音がするか、ちゃーんと計算して叩いていますので。

長谷川 「計算ずくの挙動不審」だね。

渡辺 意味が分かんないよ!